1. 【全体像】フリーランスの年収中央値と平均値|あなたの現在地は?

まず、フリーランス市場全体の年収データを把握し、ご自身の現在地を客観的に確認してみましょう。
内閣官房が発表した「フリーランス白書2024」によると、フリーランスの年収で最も多いゾーンは「200万円以上400万円未満」で26.6%、次いで「400万円以上600万円未満」が18.5%となっています。年収の中央値や平均値もこのゾーンに含まれると推測され、一部の高所得者を除けば、多くのフリーランスが会社員の平均年収と同等か、それ以下の収入であるという現実が見えてきます。しかし、悲観する必要はありません。フリーランスの年収は、職種やスキルによって大きく変わるからです。
2. 【職種別】フリーランス年収ランキング|稼げる職種はどれ?

フリーランススタートの独自データを基に、主要な職種別の年収相場を見ていきましょう。
ITエンジニアの年収相場(言語・スキル別)
フリーランスの中で最も高収入を狙えるのがITエンジニアです。特に、需要の高いスキルを持つエンジニアは、年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。
- 高単価層(年収1000万~): AI/機械学習、クラウド(AWS/GCP)、Go、Python、データサイエンスなど
- 中単価層(年収700万~): Java、PHP、Ruby、C#、Swift/Kotlinなど
Webデザイナー・Webライターの年収相場
これらのクリエイティブ職は、スキルによる二極化が非常に激しいのが特徴です。
- Webデザイナー:平均年収は約600万円。ただし、UI/UXデザインやサービス設計といった上流工程に関われる人材は、年収800万円以上を狙えます。
- Webライター:平均年収は約400万円。しかし、SEOやセールスライティング、金融・医療といった特定分野の専門性を持つライターは、年収700万円以上を稼ぐことも可能です。
動画編集者・マーケターの年収相場
- 動画編集者:平均年収は約500万円。単なる編集作業だけでなく、企画・撮影・ディレクションまで関われるようになると、年収600万円以上が見えてきます。
- マーケター:平均年収は約800万円。Web広告運用やSEOコンサルティングなど、企業の売上に直結するスキルを持つ人材は、年収900万円以上と高単価です。
3. フリーランスと会社員で違う!年収の手取り比較

「フリーランスになって年収は上がったけど、手取りは思ったより増えない」これはよく聞く話です。なぜなら、フリーランスの年収は「売上」であり、ここから社会保険料や税金を自分で支払う必要があるからです。
会社員の場合、健康保険料や厚生年金保険料は会社と折半ですが、フリーランスは国民健康保険料と国民年金保険料を全額自己負担します。この差が、手取り額に大きく影響します。
※東京都、40歳未満、独身、経費100万円の場合の概算
- 会社員(年収800万円):手取り 約590万円
- フリーランス(売上800万円):手取り 約550万円
一見、フリーランスの方が手取りが少ないように見えますが、フリーランスは家賃や通信費の一部などを「経費」として計上することで、課税対象となる所得を圧縮できます。この経費をどれだけうまく活用できるかが、最終的な可処分所得を左右する鍵となります。
4. 【成長戦略】年収の壁を突破する!フリーランスが収入を上げるための5つの方法

現状の年収から抜け出し、キャリアアップするための具体的なアクションプランをご紹介します。
①専門スキルを磨き、希少価値を高める
自分の専門分野で、今最も需要の高いスキル(AI、クラウドなど)を学習しましょう。また、「〇〇業界に特化したエンジニア」のように、複数のスキルを掛け合わせることで、他の誰も真似できない「希少価値」の高い人材になることができます。
②上流工程に関わり、提供価値を上げる
単なる「作業者」から、要件定義や設計、プロジェクトマネジメントを担う「パートナー」へとシフトすることで、提供価値は格段に上がり、単価も向上します。
③既存クライアントへの「単価交渉」
契約更新のタイミングは、単価交渉の絶好のチャンスです。「〇〇という成果に貢献できましたので、次回の契約から報酬を〇%アップしていただけないでしょうか」と、これまでの貢献度を具体的な成果として提示し、交渉しましょう。
④高単価な「直請け案件」を狙う
仲介業者を挟まない「直請け案件」は、最も単価が高くなります。SNSやブログで専門知識を発信し続けたり、勉強会などで人脈を築いたりすることで、企業から直接仕事の依頼が来る「プル型営業」の仕組みを構築しましょう。
⑤フリーランスエージェントで「高単価案件」に挑戦する
自分のスキルを正しく評価してくれるエージェントを活用すれば、市場価値に見合った高単価な非公開案件を紹介してもらえます。営業や交渉の手間を省き、効率的に年収アップを目指すなら、最も確実な方法の一つです。
まとめ|年収は「結果」。自分の価値を高める行動を始めよう

フリーランスの年収は、あなたの市場価値を映す「結果」に過ぎません。重要なのは、年収の数字に一喜一憂することではなく、自身の市場価値を高めるための行動を、今日から一つでも始めることです。収入の不安定さというリスクは、スキルアップや複数の収入源の確保といった「戦略」によって、十分にコントロール可能です。まずは、この記事の職種別年収データを参考に、あなたの1年後の目標年収と、そのために習得すべきスキルを書き出してみませんか?その小さな一歩が、あなたのキャリアを大きく飛躍させる原動力となるはずです。













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