1. 結論|フリーランスの収入は原則、事業所得。しかし例外も

「フリーランスの収入は事業所得?雑所得?」「どっちで申告すればいいのか分からなくて不安…」確定申告で多くのフリーランスが悩むのが、この事業所得と雑所得の区別です。特に副業から始めた方は、どちらに該当するのか判断に迷うことが少なくありません。
結論から言うと、フリーランスとしての本業は原則「事業所得」に該当します。しかし、趣味の延長や副業の規模が小さい場合は「雑所得」として申告するケースも多々あります。この記事では、両者の違いや判断基準を徹底解説。あなたの働き方に合った最適な選択肢を見つけましょう。
2. そもそも雑所得ってなに?フリーランスが知るべき基本のキ

雑所得とは、所得税法で定められた10種類の所得のうち、他のどの所得区分にも当てはまらない所得を指します。
フリーランスが雑所得として申告する収入の代表例は以下の通りです。
- アフィリエイト収入
- Webサイトの広告収入
- 単発の講演料や原稿料
- 副業で行うWebライターやWebデザインの収入(事業規模が小さい場合)
また、メルカリなどのフリマアプリで不要品を売却した際の収入は、生活用動産の売却にあたるため、原則として課税対象にはなりません。
3. 【最重要】事業所得と雑所得、決定的な3つの違い
「事業所得か雑所得か」を区別する明確なルールはありませんが、税務署は以下の3つの要素を総合的に見て判断します。
① 所得の規模
一般的に、年間売上300万円は一つの判断基準になると言われています。ただし、これはあくまで目安であり、売上額が少なくても事業所得と認められるケースもあれば、その逆もあります。
② 事業性・継続性の有無
最も重要な判断基準です。以下の視点でご自身の事業を見つめ直してみましょう。
- 営利性・反復性:利益を追求する目的があり、継続的に同じ活動を繰り返しているか?
- 事業としての独立性:その業務が副業の域を超え、生計を立てる手段となっているか?
例:「週末に趣味の延長で行うWebデザイン」は雑所得、「生計を立てるために毎日仕事をするWebデザイン」は事業所得と判断されることが多いです。
③ 税務上のメリット・デメリット
- 事業所得:青色申告が可能になり、最大65万円の特別控除や赤字の繰り越しなど大きな節税メリットがある。
- 雑所得:確定申告の際に提出する書類がシンプルで、手続きのハードルが低い。
税務上のメリットを最大限に活用したいなら事業所得、手続きの手軽さを優先したいなら雑所得、という視点も重要です。
4. 会社員・個人事業主別|確定申告が必要になる基準

ご自身の状況に合わせて、確定申告が必要になる基準をチェックしましょう。
- 会社員(副業):給与所得以外の所得が年間20万円を超える場合。
- 専業フリーランス(本業):事業所得が基礎控除額(48万円)を超える場合。
「売上が20万円以下」でも、経費を差し引いて赤字になる場合は確定申告は不要です。ただし、赤字を繰り越して翌年の所得と相殺したい場合は、確定申告が必要です。
5. 雑所得で損しない!知っておきたい節税の知識

雑所得であっても、経費を計上することで税金の負担を減らせます。以下の項目は、経費として認められる可能性が高いものです。
- 書籍代・セミナー参加費
- 文房具・パソコンなどの消耗品費
- 打ち合わせのための喫茶店代(交通費も含む)
- 通信費(自宅のインターネット代や携帯電話代)
プライベートとの区別が難しい場合は、事業に使った割合で按分して計上しましょう。
6. インボイス制度と雑所得の複雑な関係性

2023年10月から始まったインボイス制度は、雑所得で申告するフリーランスにも大きな影響を与えます。
雑所得でもインボイス登録は必要?
インボイス登録は、売上が1,000万円以下の免税事業者でも可能です。ただし、登録すると消費税の納税義務が発生します。取引先が課税事業者である場合、インボイス登録をしないと、相手は仕入税額控除ができなくなり、取引に影響が出る可能性があります。
雑所得でインボイス登録するメリットは?
主なメリットは、取引継続や新規案件獲得の機会が増えることです。ただし、納税の義務が発生するため、ご自身の事業規模やクライアントの状況を考慮して判断しましょう。
7. まとめ|あなたの働き方にとっての「最適解」を見つけよう

フリーランスの所得は「事業所得」か「雑所得」か、明確な答えがない場合も多いです。しかし、それぞれの違いを理解することで、あなたの働き方や将来のキャリアプランに合った、最適な選択をすることができます。
もし判断に迷った場合は、税務署の窓口や税理士に相談してみるのも良いでしょう。消費税の知識や正しい会計処理は、あなたのフリーランスとしてのキャリアを守るための大切な武器になります。













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